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クーリング・オフの方法とは?

 

みなさん、こんにちは。司法書士の岡村です。朝晩冷え込むようになり、日中との寒暖差で、何を着たらいいのか毎朝うんうん唸りながら着替えています。

 

さて、今日はクーリング・オフの方法についてお話したいと思います。

 

法律上、クーリング・オフは「書面により」することと定められています。
送る方法等についての規定はありませんので、普通郵便でも書留郵便でも、クーリング・オフの効果はあります。

 

かといって、普通郵便で送っただけでは、送付先の販売会社等から「そんなものは届いていない」などと言われ、争いになる可能性があります。
そうならないために、クーリング・オフをした証拠を残す方法で送る必要があります。

 

一番確実なのは、内容証明郵便による方法です。
内容証明郵便とは、いつ、誰から誰へどんな内容の手紙を送ったのか、を郵便局が証明してくれる特別な郵便です。
この方法で送れば、販売会社も「届いていない」などと白を切ることはできません。
ただ、内容証明郵便は気軽に利用できる方法とは言えません。
証拠として強力な反面、字数・行数の制限があったり、郵便局へ差し出す際には同じものを3通準備しておく必要があったりと、普通の郵便と比べて手続きが煩雑な面があります。

 

そこで、国民生活センターのホームページには、はがきを利用した方法が紹介されています。
はがきを利用する場合には、証拠として表裏両面をコピーしたうえで、差し出した日の記録が残るように、特定記録郵便や簡易書留などで送ります。
証拠としては内容証明郵便には劣りますが、利用しやすい方法です。

 

なお、クレジット契約で購入した場合は、販売会社とクレジット会社の双方に書面を送る必要がありますので、ご注意ください。

 

クーリング・オフには期限があります。お困りの際は、お早目にご相談ください。

 

司法書士 岡村浅黄

クーリング・オフができる期間は?

 

こんにちは。司法書士の岡村です。

前回の私のブログ(リンク)では、クーリング・オフの制度についてご説明しました。

今日からはクーリング・オフの具体的な手続きについてご説明します。

 

まず、クーリング・オフには期間の制限があります。

取引の形態により異なりますが、たとえば訪問販売の場合には、8日間以内にクーリング・オフの手続きをする必要があります。

 

ところで、このクーリング・オフができる期間、いつから数えればよいのでしょうか?

契約した日でしょうか?商品を受け取った日でしょうか?

正解は、特定商取引法及び省令で定められた事項を記載した書面(法定書面といいます)の受領日を1日目として数えます。

たとえば、訪問販売で9月1日に契約し、法定書面を受け取った場合には、9月8日までクーリング・オフできます。

 

法定書面とは、主に次のことが記載されている必要があります。

1.商品若しくは権利又は役務の種類

2.商品名及び商品の商標又は製造者名

3.商品に型式があるときは、当該型式

4.商品の数量

5.商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価

6.商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法

7.商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期

8.事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号

法人の場合は代表者の氏名

9.契約の申込み又は締結を担当した者の氏名

10.契約の申込み又は締結の年月日

11.クーリング・オフの告知

・期間内であれば書面により申込みの撤回や契約の解除ができること

・事業者は違約金や損害賠償を請求できないこと

・クーリング・オフが適用されない商品については、その旨

など

12.引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の事業者の責任についての定めがあるときは、その内容

13.契約の解除に関する定めがあるときは、その内容

14.そのほか特約があるときは、その内容

 

 

契約書面に不備がある場合は、法定の契約書面を受領したことにならないので、期間は進行しません。

よって、上記の期間を過ぎた後でもクーリング・オフできます。

なお、期間内にクーリング・オフする旨の書面を発送していればよく、期間を過ぎて販売業者等に届いたとしても、クーリング・オフは認められます。

 

次回もクーリング・オフの手続きについてご説明します。

 

司法書士 岡村浅黄

クーリング・オフとはどんな制度?

 

みなさん、こんにちは。司法書士の岡村です。

今日はクーリング・オフについてお話したいと思います。

 

言葉自体は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

クーリング・オフとは、契約の申込みや契約を締結した後でも、一定期間、書面により申込みの撤回や契約の解除をすることができる制度です。

 

この制度は、「特定商取引に関する法律」に規定があり、次の契約が対象となります。

①訪問販売

販売業者が営業所以外の場所、たとえば消費者の自宅等に訪問し、商品の販売等の契約をする取引。

キャッチセールス、アポイントメントセールスも含まれる。

②電話勧誘販売

販売業者が電話で勧誘し、消費者から契約の申込みを受ける取引。

③連鎖販売取引

購入者が販売員となり、新たな購入者兼販売者を勧誘していく手法による取引。

いわゆるマルチ商法。

④特定継続的役務提供契約

長期・継続的なサービスの提供とその対価の支払いを約する取引。

たとえば、エステや学習塾など。

⑤業務提供誘引販売取引

仕事をあっせんするなど、利益が得られることを口実として、商品の販売等をする取引。

たとえば、「パソコンとソフトを購入すれば仕事を紹介する」などと勧誘する。

⑥訪問購入

購入業者が営業所以外の場所、たとえば消費者の自宅等に訪問し、物品の購入を行う取引。

いわゆる押し買い商法。

 

ただし、これらの取引に該当する場合でも、クーリング・オフの対象とならない場合があります。

お困りの際はご相談ください。

司法書士 岡村浅黄

時効の援用、どうすればいい?

 

みなさん、こんにちは。司法書士の岡村です。

あっという間に2021年も半分が過ぎてしまいましたね。

外出すると汗が噴き出すようになりました。

事務所では、朝一アイスコーヒーをいただくのですが、最近は一段と美味しく感じます。

 

さて、前回の私のブログでは、消滅時効についてお話しました。

その中で、時効の効力を発生させるには、「時効の援用」が必要であるとご説明しました。

では、「時効を援用する」とは、具体的にはどうしたらいいのでしょうか。

 

法律上、時効の援用の方法は定められていません。

直接言う、電話で伝える、手紙を出す・・・

どの方法でも、時効援用の効力はあります。

しかし、口頭で伝えることはおすすめしません。

後日、たとえば相手方と裁判になった場合に、時効を援用したことの証拠がないからです。

 

私たち司法書士が、依頼者の代理人として時効の援用をする場合には、相手方に内容証明郵便を送ります。

内容証明郵便とは、いつ、どんな内容の文書を誰から誰あてに差し出したか、ということを郵便局が証明してくれるものです。

内容証明郵便で送っておけば、言った言わない、というトラブルを避けることができます。

 

 

ただ、時効期間経過後に時効の援用をしたからといって、必ずしも時効の効力が発生するとは限りません。

時効には、「時効の更新」と「時効の完成猶予」という規定があるからです。

 

「時効の更新」とは、これまで進行した時効期間がリセットされ、新たに時効期間が進行することをいいます。

「時効の完成猶予」とは、所定の期間、時効の完成が先延ばしされることをいいます。

 

 

事例で考えてみましょう。

Aさんは、消費者金融から借り入れをし、返済を続けていましたが、収入の減少により返済ができなくなってしまいました。

返済が滞って、消滅時効の期間が経過する前に、借入先の消費者金融から、借金の返済を求める裁判を起こされました。

しかし、Aさんはどうしたらいいかわからず、そのまま放置してしまいました。

その後、本来の時効期間が経過したため、Aさんは時効の援用をしたいと当事務所へ相談に来ました。Aさんは時効の援用ができるでしょうか。

 

結論としては、Aさんが時効援用できる可能性はほぼありません。

裁判手続きで、Aさんが何も反論をしなければ、全面的に貸金業者の主張を認める判決が確定することになります。

そして、判決が確定した時から、消滅時効の期間はまた新たに進行を始めます。

これが「時効の更新」です。

つまり、返済が滞ってから数年経っていたとしても、判決が確定した時点で、その期間はなかったことになる、ということです。

また、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するもの(裁判上の和解、調停等)により時効が更新された場合には、もともとの時効期間が10年より短いとしても、10年となります。

 

よってAさんは、判決が確定してから10年経過するまでは、時効の援用ができません。

このまま放置すれば、財産を差し押さえらてしまう可能性もあります。

返済できない場合には、債務整理を検討する必要があるでしょう。

 

なお、貸金業者が何らかの理由で訴えを取り下げたとしても、手続きが終了してから6か月は時効が完成しません。これが「時効の完成猶予」です。

よって、時効期間が経過するギリギリで訴えられた場合には、時効期間が延びることになります。

 

時効期間が経過したと思い、時効を援用したものの、実は途中で裁判を起こされていて時効が完成していなかった、というのは、ときどきある話です。

特に、裁判所からの手紙は放置せず、専門家に相談するようにしましょう。

 

当事務所では、時効援用のご相談を承っております。

お悩みの際はご相談ください。

 

司法書士 岡村浅黄

借金の消滅時効、何年で成立する?

 

みなさん、こんにちは。司法書士の岡村です。

6月に入り、夏の気配を感じますね。

私の家の近くには、毎年紫陽花がたくさん咲く花壇があります。

5月末頃から、ピンクや青の花が少しずつ開いていく様を、毎日楽しみにしながら通勤しています。

 

 

さて、今日は「消滅時効」についてお話しします。

「消滅時効」とは、一定期間の経過により、権利が消滅することをいいます。

一口に消滅時効と言っても、対象の権利がどのような権利か、どのような原因で発生した権利か、によって規定が異なります。

今回は、個人がお金を借り入れた場合に適用される規定をご紹介します。

 

 

2020年4月、民法の改正により、消滅時効の規定が変更されました。

契約日が改正の前か後かによって、取り扱いが異なります。

 

まずは、現行(改正後)の民法の規定をみてみましょう。

 

【民法166条1項】

債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

①権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。

②権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。

 

債権とは、ある特定の人に、ある特定の行為や給付を請求することのできる権利をいいます。

たとえば、金銭の支払いを請求する権利、物の引渡しを請求する権利などがあります。

 

貸金業者が債務者(お金を借りた人)に返済を請求する権利も債権です。

貸金業者は、いつから返済を請求できるか(返済期日)をわかっているはずですので、返済期日から5年で消滅時効が成立することになります。

 

この消滅時効の規定は、2020年4月1日以降の契約に適用されます。

 

 

他方、改正前の民法では、次のように規定されていました。

 

【改正前民法167条1項】

債権は、10年間行使しないときは、消滅する。

 

2020年3月31日以前の契約には、この改正前民法の規定が適用されます。

とすると、改正前の借金は、10年経過しないと時効にならないように思えますが、必ずしもそうではありません。

商法という別の法律に、次のような規定がありました(民法改正に伴い削除されました)。

 

【改正前商法522条】

商行為によって生じた債権は、(中略)5年間行使しないときは、時効によって消滅する。

 

消費者金融や銀行等の会社の事業は、商行為にあたります(会社法5条)。

よって、これらの会社からの借金は、改正前商法の規定に基づき、5年で時効となります。

なお、信用金庫や住宅金融支援機構等からの借金は、商行為にはあたらず、時効期間は10年です。

信用金庫等からの借金については、改正により時効期間が短くなったことになります。

 

 

消滅時効の期間が経過すると、債務者としては「もう支払しなくていい」と安心してしまうかもしれませんが、時効期間が経過しただけで自動的に権利が消滅するわけではありません。

前回記事「取得時効が成立する要件とは?」でもご説明したとおり、時効の効力を発生させるには「時効の援用」が必要になります。

 

「時効の援用」については、また次回の私のブログでお話しします。

 

司法書士 岡村浅黄

取得時効が成立する要件とは?

 

みなさん、こんにちは。司法書士の岡村です。

ゴールデンウイークは、いかがお過ごしでしたか?

私は何の予定もありませんでしたので、読書に興じることにしました。

今は本屋さんに行かなくても、読みたい!と思った瞬間に電子書籍で読めるようになりましたね。

以前は断然紙の本派でしたが、最近は電子書籍も積極的に活用しています。

手軽なのは良いですが、積読が増えがちで困ります・・・

 

 

さて、前回のブログで、時効には刑事上の時効と民事上の時効があるというお話をしました。

今日は民事上の時効のうち、「取得時効」についてご説明したいと思います。

 

「取得時効」とは、民法162条1項に以下のとおり規定されています。

 

「20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。」

 

「所有の意思」とは、自分の所有物にしようという意思です。

たとえば、誰かから借りた物のように、所有者がほかにいると認識して占有を続けても、所有の意思があるとはいえず、時効とはなりません。

ちなみに「占有」とは、自分の支配下におくことです。

 

「平穏に」とは、暴行強迫などの行為によらない、つまり無理やり奪ったような場合ではないことをいいます。

「公然と」とは、占有を隠匿していないことをいいます。

こっそり隠れて占有していたような場合には、「公然と」とはいえません。

 

さらに、占有を始めたときに自分のものであると信じ、かつ信じていたことに過失がなかった場合は、時効期間は10年と短くなります(民法162条2項)。

過失とは、調査や確認をすべきだったのに、それを怠ったことを指します。

たとえば、対象が不動産の場合、登記簿を調査すれば他人の物であることがすぐにわかるはずだった、という状況下では、自分の物と信じて占有を始めたとしても、時効期間は20年となります。

 

なお、時効期間が経過したからといって自動的に所有者が変わるわけではありません。

「時効で私が所有権を取得しました!」と主張する必要があります。

これを「時効の援用」といいます(民法145条)。

時効の援用により、所有権を取得した人は、占有を始めたときから所有者だったことになります。

 

 

不動産を時効で取得した場合には、自分の名義に変更(所有権移転登記)をすることができますが、原則、元の所有者と共同で変更の手続をしなければなりません。

元の所有者は自分の権利を失うことになりますから、手続に協力しない場合もあります。

その場合は裁判手続を経なければ所有権移転登記ができません。

 

法律の規定があっても、それを実現するのはなかなか大変なこともあるのです。

 

次回は、「消滅時効」についてご説明します。

 

司法書士 岡村浅黄