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身近に潜む契約~売買~

 

皆さんこんにちは。司法書士の岡村です。

 

今日のテーマは「契約」です。

「契約」というと、契約書にサインしてハンコ押して・・・

というイメージがあるかもしれませんが、契約は私たちの生活のなかに溢れています。

 

たとえば、スーパーやコンビニでの買い物。

お客さんが商品を選び、レジへ持っていく。

店員さんがレジに金額などを打ち込み、お客さんに代金を告げる。

お客さんが代金を支払い、店員さんが商品をお客さんに渡す。

 

このような日常の買い物は、売買契約です。

売買は、民法第555条に次のように規定されています。

 

「売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」

 

財産権とは、上の例でいうと商品の所有権です。

簡単にいうと、売主の「売ります」という意思表示と買主の「買います」という意思表示が合致すれば、契約書などなくても売買契約は成立する、ということです。

そして、売買契約が成立すると、財産権は買主のものになります(民法第176条)。

 

コンビニでわざわざ「売ります!」「買います!」と口に出すことはあまりないと思いますが、お客さんがレジへ持っていく行為や、店員さんがレジを打つ行為は、通常「買う」「売る」という意思の表れと考えらるので、売買契約が成立します。

 

売買の対象物がどんなに安くても高くても、すべての「買う」「売る」という行為は売買契約に基づいています。

 

 

ところで、私がはじめてこの条文を勉強したときに疑問に思ったことがあります。

「お金を払わなくても売買って成立するの?」

 

法律上、代金の支払いがあってもなくても、売買契約の成立に影響はありません。

代金を支払うのは、売買契約が成立することで、買主には代金を支払う義務が発生するからです。

同時に売主には商品等を引き渡す義務が発生します。

 

なお、不動産のような大きな買い物の場合、売買契約後、代金の支払いがすぐにされないことがよくあります。

代金の支払いがされていないのに買主のものになってしまうと、売主にとっては不都合なので、契約書のなかで、売買代金全額の支払いがされたときに所有権が買主に移る、という取り決めをするのが通常です。

 

 

売買に限らず、世の中にはたくさんの契約があります。

意識してみるとおもしろいかもしれません。

司法書士 岡村浅黄

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