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「自己破産」カテゴリーアーカイブ

自己破産をすると滞納したNHK受信料はどうなりますか

 

Aさんは借金が500万円ほどあり、自己破産の申立ての準備をしています。

借金の中には、貸金業者からの借金の他に滞納したNHKの受信料も含まれています。

Aさんが自己破産をした場合、滞納したNHK受信料はどうなるのでしょうか。

 

免責許可が確定すれば滞納したNHK受信料の支払い義務はなくなります。

自己破産で免責許可が確定すれば、貸金業者などからの借金の支払い義務はなくなります。

一方で、税金や罰金、一部の公共料金など一部免責されないものもあります。(非免責債権といいます。)

滞納しているNHK受信料はNHKとの受信契約に基づいて発生するため、税金や一部の公共料金とは異なり、貸金業者からの借金と同じように、自己破産手続きで免責許可を求めることができます。

Aさんの免責許可が確定すれば、滞納した受信料の支払い義務はなくなります。

 

滞納したNHK受信料の支払いは免責不許可事由にあたります。

自己破産では全ての債権者を平等に扱うことが求められます。

Aさんが支払い不能になった後または破産手続申立後も、NHKから督促状が送付されてきたり、委託を受けた集金人が訪問をしてきたりすることがあります。

支払不能になった後または破産手続申立後にNHK受信料の滞納分の支払いをすることは、不公平な返済をすることにあたり免責不許可事由に該当します。破産手続きに影響が出ますので、自己破産手続き中に滞納分の受信料の支払いは行わないでください。

 

滞納しているNHK受信料がある場合は相談時に知らせて下さい。

自己破産を申立てる場合にはすべての債権者を裁判所に報告する必要があります。

Aさんが知りながら債権者名簿に記載していない債権者の借金は、免責許可が確定しても免責されず借金の支払い義務が残ってしまうので注意が必要です。

借金の中にNHKの受信料の滞納がある場合には面談の際にお知らせください。

 

司法書士 永野昌秀

 

自己破産をした場合、未受領の養育費はどうなりますか

 

Aさんは離婚後、相手方から養育費を受け取ることになっていましたが、養育費の支払いがされず、自分と子どもの生活費の不足分を借金で補ってきました。

返済が難しい状況になったため、自己破産を検討しています。

Aさんが自己破産をした場合、未受領の養育費はどうなるのでしょうか。

 

Aさんに一定以上の財産がない場合

破産手続開始決定時に一定以上の財産がない場合には、破産手続き開始決定と同時に破産手続きが廃止されます(同時廃止事件)。

Aさんの未受領の養育費を含めた財産の総額が20万円を超えていない場合、Aさんは破産手続き開始決定時に有していた財産全額を手元に残すことができます。

Aさんは未受領の養育費を相手方に請求することができます。

 

Aさんに一定以上の財産がある場合

自己破産手続き開始決定時点で一定の財産がある場合、破産手続き開始決定と同時に破産管財人が選任される管財事件となります。

Aさんに破産手続き開始決定時点で未受領の養育費を含む一定の財産がある場合、原則として未受領の養育費は破産管財人の管理処分の対象になります。

 

① 相手方からの支払いが見込めない場合

未受領分の養育費について、相手方からの支払いが見込めない場合には、なぜ支払いが見込めないのかを破産申立書類の中で明らかにする必要があります。

この場合、未受領の養育費を除くAさんの財産が一定額を下回ることになると管財事件ではなく、同時廃止事件になります。

 

支払いが見込めない理由が不明確な場合には、原則として破産管財人による調査が行われることになります。

破産管財人の調査により、未受領の養育費の回収ができず、Aさんの財産が一定額を下回ることが明らかになった場合は、その時点で破産手続きが廃止されます。

 

② 相手方からの支払いが見込める場合

破産手続開始時点において未受領の養育費は、原則として破産管財人の管理処分の対象になります。

 

ただし、この場合でも、Aさんは、お子さんとの生活を送るうえで、その養育費が生活上欠かすことができないことを裁判所に申出て、裁判所に認めてもらうことにより、現金を含めて最大99万円までの財産を手元に残せる可能性があります。(自由財産の拡張といいます。)

 

司法書士 永野昌秀

自己破産をした場合、受け取っていた養育費はどうなりますか

 

Aさんは離婚後、相手方から養育費を受け取ってきましたが、自分と子どもの生活費の不足分を借金で補ってきました。

返済が難しい状況になったため、自己破産を検討しています。

Aさんが自己破産をした場合、養育費をこれまで通り相手方から受け取れるのでしょうか。

 

自己破産をしても養育費を受け取る権利はなくなりません。

親が自己破産をしたとしても、自己破産手続き開始決定後に受け取る養育費に影響はありません。

破産手続き開始決定後に新たに得た財産は、処分の対象にならないためです。(破産法第34条第1項)

Aさんは自己破産手続き開始決定後、養育費をこれまで通り相手方から受け取ることができます。

 

養育費を口座振込で受領している場合は注意が必要です。

自己破産手続き開始決定時点で一定の財産がある場合、破産手続き開始決定と同時に破産管財人が選任される管財事件となります。

養育費を銀行預金口座等への振込みで受領している場合、銀行口座に振り込まれた養育費は「預金」という扱いになります。

Aさんが自己破産手続き開始決定時にすでに受け取っていた養育費が貯蓄されており、預金として20万円を超える場合、20万円を超える部分は「財産」とみなされ、原則として破産管財人の管理処分の対象になります。

 

その場合でも、Aさんは、お子さんとの生活を送るうえで、その養育費が生活上欠かすことができないことを裁判所に申出て、裁判所に認めてもらうことにより、現金を含めて最大99万円までの財産を手元に残せる可能性があります。(自由財産の拡張といいます。)

 

司法書士 永野昌秀

離婚した相手が自己破産をしたら養育費はどうなりますか

 

Aさんは離婚した相手から「自己破産するから養育費はもう支払えない」と言われました。

Aさんも働いていますが、余裕はなく、突然支払えないと言われても困ってしまいます。

Aさんの子の親権者はAさんです。

親権者でない相手が自己破産をした場合には養育費の支払いを受けることはできなくなるのでしょうか。

 

相手が自己破産したとしても養育費の支払い義務がなくなることはありません。

親は、自分の子どもに対して、扶養義務を負っています(民法第877条第1項)。離婚によって親権を失ったとしても、相手が子どもの親であることに変わりはないため、法律上の扶養義務を継続して負うことになります。

養育費は、自己破産をして免責許可が確定しても支払い義務が免除されない「非免責債権」にあたります。(破産法第253条第1項4号ハ)

 

現実的に回収できるかどうかという問題は残ります。

相手が自己破産をすれば、今まで返済に回していた分だけ生活費に余裕ができる可能性はあります。

相手に収入があれば、破産手続き開始決定後に取得した財産は、相手が自由に処分できる財産となるため、相手との話し合いや、給与などが入ってくる銀行口座を差し押さえることによって、養育費を回収できる可能性はあります(養育費の場合は、最大で手取り額の2分の1までの差押えが認められます。)。

しかし、相手方が経済的に困窮し、資力がほとんどない場合には、現実的に養育費の支払いを受けることは困難になるでしょう。

 

こうした場合、離婚後に受給できる公的給付を利用することも可能です。

詳しくはこちらです。

厚生労働省、ひとり親家庭の支援について

司法書士 永野昌秀

自己破産をすると会社で掛けている確定拠出年金はどうなりますか

 

Aさんは借金が800万円ほどあり、自己破産を検討しています。

Aさんは会社員で企業型確定拠出年金に加入しており、あと数年で定年退職をするため、自分の老後の資金のために、会社のかけてくれる確定拠出年金の他に自分でも毎月2万円の確定拠出年金の掛け金を出しています。

会社の確定拠出年金の運営管理はB銀行が行っており、AさんはB銀行からも借金があります。

Aさんが自己破産をした場合には確定拠出年金はどうなるのでしょうか。

 

Aさんは確定拠出年金を60歳以降に受取ることができます。

確定拠出年金は老後資金の形成を目的とした制度で、60歳以降に、確定拠出年金の規約の定めにより、一時金または年金などの形でお金を受け取ることができます。

 

個人が破産する場合、破産手続開始時に所有していた財産のうち一定の財産はそのまま破産者の手元に残すことができ、破産者が自由に管理・処分することができます。これを「自由財産」といいます。

自由財産の中でも、99万円以下の現金や差押えが禁止されている動産(家財道具など)や債権(給料など)は当然に自由財産になります。(破産法第34条第3項)

確定拠出年金は確定拠出年金法の定めにより(確定拠出年金法第32条第1項)当然に自由財産となり、税金等の滞納処分以外では差押えができない差押え禁止財産とされています。

 

Aさんが自己破産をしても、確定拠出年金の運営管理を行うB銀行はAさんの確定拠出年金と借金を相殺することはできません。

Aさんは、自己破産をしても自分の老後の資金である確定拠出年金を守り、60歳以降に受取ることが可能です。

 

司法書士 永野昌秀

自己破産をすると国民健康保険はどうなりますか

 

Aさんは4社から合計500万円の借金があります。

支払ができなくなり、自己破産を検討しています。

Aさんは国民健康保険に加入していますが、国民健康保険料を滞納しています。

自己破産をした場合、Aさんの国民健康保険にどのような影響があるのでしょうか

 

国民健康保険証が使えなくなることはありません。

自己破産をしても健康保険には継続して加入し続け、利用することができます。

Aさんの健康保険証が使えなくなるということはありません。

 

健康保険の滞納分は支払う必要があります。

Aさんが自己破産をし、免責許可決定を受けると借金の支払い義務は原則としてなくなりますが、健康保険料は税金と同じように支払い義務があり、健康保険料の滞納分は免責の対象になりません。(破産法第253条第1項ただし書1号)

国民健康保険は毎月の支払い期日があります。期限を過ぎても支払いができない場合、延滞金も発生します。

Aさんは免責許可決定を受けても、滞納分と延滞金全額を支払う必要があります。

 

やむを得ない理由で健康保険料の支払いができない場合は、減額や免除などの軽減措置が受けられる場合もあるので、早めに市町村役場の窓口で相談してみましょう。

静岡市にお住いの方はこちら

 

司法書士 永野昌秀

自己破産をしたら銀行口座はどうなりますか

 

Aさんは総額800万円程の借金があり、返済ができないため自己破産をするつもりです。

借入先には銀行のカードローンもあり、借入先の銀行は給料の振込先口座になっています。

Aさんが自己破産をした場合、銀行口座にどのような影響が出るでしょうか。

 

銀行のカードローンなどを利用している場合は口座が凍結される可能性があります。

銀行の口座が凍結されると、一定期間口座から引出しができなくなります。銀行はAさんの口座に残高がある場合、Aさんの預金残高とカードローン残高を相殺することで回収をはかろうとします。

給料等の収入が、カードローンなどの借入のある銀行の預金口座に振り込まれる予定がある場合には、相殺されたり、引出し不能とされないように、振込先を変更するなどの対応をする必要があります。

 

借入れのない金融機関との取引は、自己破産をしても、借入れができないことを除いて制限を受けませんので、新規に口座を作り、給料振込口座に指定したり、公共料金等の引落し口座にすることも可能です。

 

クレジットカードなどの自動引落口座になっている場合

自己破産では全ての債権者を平等に扱うことが求められます。

クレジットカードの自動引落としで、特定のカード会社の借金だけ返済することは、不公平な返済をすることにあたり免責不許可事由に該当します。破産手続きに影響が出ますので、自動引き落としを解約するか、引落しがされないように口座の残高を調整するか、口座そのものを解約するなどの対応をする必要があります。

 

借金の中に銀行のカードローンがあり対処方法がわからない場合は当事務所にご相談ください。

 

司法書士 永野昌秀

連帯保証人になっている場合でも、相続放棄をすれば借金の支払い義務を逃れることができますか

 

Aさんの父親は最近亡くなりましたが、借金が1000万円ほどあり、Aさんはその連帯保証人になっていました。

Aさんは相続放棄をすることで借金の支払い義務を逃れることができるでしょうか。

 

Aさんが亡父の借金の連帯保証人の場合、相続放棄をしても借金の支払い義務はなくなりません。

相続放棄をすることで債務を相続することは無くなりますが、連帯保証人としての支払い義務は残ります。

Aさんが連帯保証人としての支払い義務を逃れるためには、自己破産などの債務整理手続きを検討する必要があります。

 

自己破産をする場合でも相続放棄をする必要がありますか。

Aさんの亡父が税金等を滞納していた場合、納税義務が相続されることになります。滞納した税金等は自己破産しても支払い義務が残ります(非免責債権)。

Aさんは相続放棄をすれば支払い義務がなくなります。

 

相続放棄は、原則として自己のために相続が開始したことを知ったときから3か月以内にしなければなりません。

相続した財産のうち、マイナスの財産がプラスの財産を上回ることが明らかな場合は、まずは相続放棄を検討し、保証債務など相続放棄で対応できない借金について自己破産などの債務整理手続きを検討するのが良いでしょう。

 

亡父の債務が住宅ローンのみの場合

住宅ローンを利用する場合、多くの場合団体信用生命保険に入ります。

団体信用生命保険は、住宅ローンの返済中に債務者(借り主)が死亡した場合、残った住宅ローンが保険金により一括返済される保証制度です。

 

亡父の借金が住宅ローンのみで、団体信用生命保険に入っている場合、Aさんには住宅ローンの支払い義務は残りません。

 

相続財産の中に借金があり対応がよくわからない場合には当事務所にご相談ください。

 

司法書士 永野昌秀

自分に返せないほどの借金を相続してしまった場合、自己破産するしかありませんか

 

Aさんは先日父親を亡くしましたが、父親には600万円ほどの借金があることがわかりました。父親には財産といえるものはなく、借金だけが残った状態です。相続人はAさんの他にいません。

Aさんは自分の生活もあるため、600万円の借金を支払うことは難しいと感じています。

Aさんは父親の借金の返済ができない場合、自己破産をするしかないのでしょうか。

 

Aさんは自己破産ではなく、相続放棄をすることで返済をする必要がなくなります。

相続が起こると、相続人は預貯金等のプラスの財産も、借金等のマイナスの財産も全て相続することになります。

Aさんは唯一の相続人であるため、相続をした場合、父親の残した借金を返済をする義務を負うことになります。

借金を相続したくない場合には、家庭裁判所に相続放棄を申立てましょう。

相続放棄が認められればAさんは最初から相続人ではなかったことになるため、父親の借金の返済義務がなくなります。

 

相続放棄をする場合の注意点。

① Aさんは原則として相続開始があったことを知った時から3ヶ月以内に申述を行う必要があります。

② Aさんが相続財産を隠したり処分してしまったなど、一定の場合に相続を承認(単純承認といいます。)したものとして相続放棄をすることができなくなる場合があります。

なお、交換価値のない物の形見分け、相続財産による葬儀費用や治療費の支払いなどは単純承認にはあたりませんが、父親の借金を相続財産から支払う場合は「処分」にあたる可能性があるので注意が必要です。

 

相続財産の中に借金があり対処方法がわからない場合には当事務所にご相談ください。

 

司法書士 永野昌秀

友人への借金を返済するため自己破産申立前に車を処分しても良いですか

 

自己破産申立予定のAさんは、消費者金融やクレジットカード会社に合計600万円、他にも友人のBさんに80万円の借金があります。

Aさんの財産は自動車(ローン完済済、査定額100万円)のみです。

 

Bさんが「急にお金が必要になったため、貸したお金を返してほしい」と言ってきました。Aさんは、Bさんに迷惑をかけられないので、自動車を売って弁済しようと考えています。

Aさんが自己破産前に車を処分して、Bさんへ弁済することは問題ないのでしょうか。

 

偏った返済は免責不許可事由に該当します。

 

自己破産では全ての債権者を平等に扱うことが求められます。

車を売却したお金で、Bさんの借金だけ返済することは、不公平な返済をすることにあたり免責不許可事由に該当します。破産手続きに影響が出ますので、自己破産前の車の処分および返済は行わないでください。

 

なお、自己破産申立前に処分していけないのは車に限りません。

その他価値のある財産を処分した場合でも、破産申立の際に過去2年以内に処分した20万円以上の財産について裁判所に報告する必要があります。

 

仮にBさんが返済を受けた場合、後に80万円の返還請求を受ける可能性があります。

AさんがBさんに返済をした時に、Aさんが支払いが出来ない状態だった又は破産申立したことをBさんが知っていた場合、破産手続開始決定後に、Bさんは破産管財人(Aさんの財産を適切に管理して、債権者に平等に配当する義務があります)から、車の売却代金から受け取った80万円の返還請求をされる可能性があります。

これではBさんに二重に迷惑をかけることになりかねません。

 

借金の返済にお悩みの方は、財産の処分をする前に一度当事務所にご相談ください。

 

司法書士 永野昌秀