【相続/Q9】代々直系の子孫に資産を引き継ぐにはどうしたらいいでしょうか
私は長男を後継者と考えており、すでに収益不動産の管理を任せています。
私が亡くなった後は、長男の家系に代々この資産を引き継いでもらいたいと思います。
何かいい方法はありますか。
民事信託を検討してみたらよいでしょう。
遺言で長男に収益不動産等を残すことは可能ですが、
その先の相続人まで指定することはできません。
法人を設立し、代表取締役として長男を就任させ、
収益不動産を法人名義に移転する方法も考えられますが、
税金の負担が多大であり、また会社も
長男家系が継ぐとも限りません。
こういった場合、民事信託を検討してみるとよいでしょう。
信託とは特定の者が財産を有するものから移転された財産につき
信託契約、委託者の遺言等により一定の目的に従い財産管理
または処分などをおこなうことを言います。少し難しいですね。
大雑把に言ってしまえば、あなたの希望を実現させるために
一度所有する不動産を切り離して、信託財産として独立させ、
利益を契約で指定した人に与える方法です。
特定のものだけを相手として、営利を目的とせず、
継続反復せずに引き受ける信託の場合には、
信託業法の適用はありません。
今回の場合には、利益を受ける人(受益者といいます)は、
第一順位はあなた、
貴方がなくなった場合に利益を受ける第二受益者として息子さん、
息子さんが亡くなった場合に利益を受ける第三受益者として
お孫さんと規定しておけばよいでしょう。
一族の資産を着実にあなたが指定した者に
順次承継させることが可能になります。