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取得時効が成立する要件とは?

 

みなさん、こんにちは。司法書士の岡村です。

ゴールデンウイークは、いかがお過ごしでしたか?

私は何の予定もありませんでしたので、読書に興じることにしました。

今は本屋さんに行かなくても、読みたい!と思った瞬間に電子書籍で読めるようになりましたね。

以前は断然紙の本派でしたが、最近は電子書籍も積極的に活用しています。

手軽なのは良いですが、積読が増えがちで困ります・・・

 

 

さて、前回のブログで、時効には刑事上の時効と民事上の時効があるというお話をしました。

今日は民事上の時効のうち、「取得時効」についてご説明したいと思います。

 

「取得時効」とは、民法162条1項に以下のとおり規定されています。

 

「20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。」

 

「所有の意思」とは、自分の所有物にしようという意思です。

たとえば、誰かから借りた物のように、所有者がほかにいると認識して占有を続けても、所有の意思があるとはいえず、時効とはなりません。

ちなみに「占有」とは、自分の支配下におくことです。

 

「平穏に」とは、暴行強迫などの行為によらない、つまり無理やり奪ったような場合ではないことをいいます。

「公然と」とは、占有を隠匿していないことをいいます。

こっそり隠れて占有していたような場合には、「公然と」とはいえません。

 

さらに、占有を始めたときに自分のものであると信じ、かつ信じていたことに過失がなかった場合は、時効期間は10年と短くなります(民法162条2項)。

過失とは、調査や確認をすべきだったのに、それを怠ったことを指します。

たとえば、対象が不動産の場合、登記簿を調査すれば他人の物であることがすぐにわかるはずだった、という状況下では、自分の物と信じて占有を始めたとしても、時効期間は20年となります。

 

なお、時効期間が経過したからといって自動的に所有者が変わるわけではありません。

「時効で私が所有権を取得しました!」と主張する必要があります。

これを「時効の援用」といいます(民法145条)。

時効の援用により、所有権を取得した人は、占有を始めたときから所有者だったことになります。

 

 

不動産を時効で取得した場合には、自分の名義に変更(所有権移転登記)をすることができますが、原則、元の所有者と共同で変更の手続をしなければなりません。

元の所有者は自分の権利を失うことになりますから、手続に協力しない場合もあります。

その場合は裁判手続を経なければ所有権移転登記ができません。

 

法律の規定があっても、それを実現するのはなかなか大変なこともあるのです。

 

次回は、「消滅時効」についてご説明します。

 

司法書士 岡村浅黄

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