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「遺言」カテゴリーアーカイブ

【遺言/Q16】遺言執行者に就職したけど、まずは何をすればいいの?

question
 
 
遺言執行者に就職しました。まずは何をすればいいのでしょうか?
 
answer
 
 
相続人全員に遺言の内容と遺言執行者に就職した事を通知してください。
 
 
令和元年7月1日施行の改正民法で
「遺言執行者は、その任務を開始したときは、
遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。」
(民法第1007条第2項)
として、遺言執行者の通知義務が定められました。
 
 
相続人にとって、遺言の内容は重大な問題です。
 
 
相続人が遺言の内容を知らされなかったことで、
後にトラブルとなるケースがあるため、
今回の改正で遺言執行者の義務として明文化されました。

【遺言/Q15】財産を遺したい相手が遠方にいる場合は?

question
 
 
遺言書を作りたいけど、財産を遺したい相手が遠方にいて手続きが大変だろうと思います。
何かいい方法はありますか?
 
answer
 
 
遺言執行者がいれば、遺言の内容を実現するために手続などを行ってくれます。
 
 
遺言執行者を選ぶには
① 遺言書で指定する
② 遺言書で委託された第三者が選ぶ
③ 家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てる

という3つの方法があります。
 
 
遺言執行者になるために特別な資格は必要なく、
未成年者と破産者以外なら誰でも遺言執行者になることができます。

【遺言/Q14】相続人ではない甥に相続させたい

question
 
 
お世話になった甥(相続人ではない)に財産を遺す遺言を書きたい
と考えています。
私が亡くなった後の手続きは甥だけでできますか?
 
answer
 
 
相続であれば、遺言により財産を承継した相続人だけで
手続きすることができます。
しかし、今回のように遺言で財産をもらう人が相続人ではない場合、
単独で手続きすることはできません。
 
 
令和元年7月1日施行の改正民法では、
「遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は遺言執行者のみが行うことができる。」
(民法第1012条第2項)
との条文が新設されました。
 
 
今回の場合、遺言執行者がいれば、甥は遺言執行者
に協力を求めれば、手続きができることになります。
 
 
遺言執行者がいない場合は、相続人全員と手続きする必要があり、
甥のご負担になることもありえます。
遺言書に遺言執行者の指定について記載しておくと良いでしょう。

【遺言/Q13】自筆証書遺言の財産の記入について

question
 
 
自筆証書遺言を書きたいのですが、不動産や預貯金の細かい財産をすべて
手書きで書くのが大変です。
なにかいい方法はありますか?
 
answer
 
 
平成31年1月13日施行の民法改正において、
自筆証書遺言の方式のうち、財産目録については自書する必要がないと改正されました。
 
 
財産目録については、例えばパソコン等により作成することもできますし、
不動産の登記事項証明書や、預貯金通帳のコピーを使用することもできます。
 
 
ただし、この方法による場合、遺言者は、自書以外で記載された全てのページに署名押印をする必要があります。
利用しやすくなったことにより、偽造変造の危険性が高まることのないよう、このような改正となりました。
 
 
なお、財産目録以外の部分については、以前と同じく自書が必要ですので、注意してください。

【遺言/Q12】自筆証書遺言は民法改正によりどう変わりますか?

question
 

自筆証書遺言は民法改正によりどう変わりますか?
 

 

answer
 
 

2020年7月から法務局で、自筆証書遺言を保管する制度が始まる予定です。

 
 

自筆証書遺言はいままで公的に保管してくれる場所がなく、
亡くなった後遺言が見つからない等の不具合がありました。
そこで民法改正により法務局で自筆証書遺言を保管する制度が始まることになりました。

 
 

自筆証書遺言の原本と画像データを遺言書保管所である法務局に保管します。

これにより、遺言者の死後、相続人などが遺言書が保管されているかを調べることや、
保管されている遺言書の写しを交付してもらうこと、
保管されている遺言書を閲覧することができます。

 

遺言者本人は、一度保管された遺言を閲覧することができ、
遺言の保管を撤回することもできます。

 
 

【メリット】

遺言書を失念による紛失や災害による消失などから守ることができる。

本人以外の者による変造や、隠匿を防ぐことができる。

保管制度を利用すれば、家庭裁判所による検認は不要となる。

(一般の自筆証書遺言は、本人の死後、
遺言書に従って遺産分割や遺贈をしようとするとき、
家庭裁判所にて検認を受ける必要があります。)

 

 

【デメリット・注意点】

法務局には、遺言する本人が出頭する必要がある。

法務局の手数料がかかる。

遺言は本人の自筆となる。(一部制度緩和により、財産目録は自筆でなくてもよくなりました)

【遺言/Q11】「相続させる」という遺言の効力

question
 
父が亡くなり、遺言があることがわかりました。

遺言には、「自宅の土地と建物は長男に相続させる」
と書いてありました。

しかし、この長男は父よりも先に亡くなっています。

父の相続人は、妻と次男である私、
そして代襲相続人である長男の息子です。

長男の息子がこの不動産を相続することができますか?

 

answer
今回の場合、遺産分割協議より長男の息子に相続させることはできます。

 

遺言者である父に代襲相続させる意思があったかわからない
場合には、先に長男が亡くなっていることにより、
遺言の「自宅の土地と建物は長男に相続させる」
という部分は効力が発生しません。
 
 

この場合、自宅の土地と建物は、
相続人である妻、次男、長男の息子が
法律に定められた割合で相続する(法定相続)か、
遺産分割協議によって、相続する者を決めることになります。

 
 

今回の遺言のように、相続人のうちの一人に
遺産を相続させるとする遺言を
「相続させる」旨の遺言と呼びます。
 

 

最高裁判所は、平成23年2月22日の判決で、
「相続させる」旨の遺言は、その遺言によって
遺産相続するはずだった人が
遺言者よりも先に死亡した場合には、
遺言者に、先に亡くなった人の代襲者などに
この遺産を相続させたいという意思があった
とわかるような特段の事情がなければ、
「相続させる」旨の遺言の効力は発生しない
としました。
 
 

もし、遺言をした後に、事情が変わって内容を
変更したい場合には、変更したい内容を、
もう一度遺言したほうがよいでしょう。
 
 

一度「長男に~」と遺言しても、遺言した人よりも
長男が先に亡くなると、当然には孫に相続させる
ことにはならないことに注意が必要です。
 
 

遺言を作成する際に、仮に遺言者よりも先に相続人が
亡くなった場合も想定して、「長男が遺言者よりも
先に死亡していた場合には●●に相続させる」等
予備的な文言を入れておくのもよいでしょう。

【遺言/Q10】遺言で遺産を受け取るはずだった友人が遺言者より先に死亡しました。友人の息子が遺産を受け取れますか

question
 
遺言で特定の財産を友人に贈与することにしましたが、
友人が遺言者より先に亡くなりました。
亡くなった友人の代わりに、
友人の息子がその財産をもらうことはできますか?
 

answer
友人の息子さんはそのままでは遺産を受け取れません。
 
 

遺言で財産を贈与することを遺贈と言い、
財産を受ける人を受遺者と言います。
 
 

遺言者よりも受遺者が先に亡くなったときは、
遺言の内容を実現することができなくなるので、
その遺贈に関する部分について、
遺言の効力は発生しません(民法第994条第1項)。
 
 

今回の例で言えば、
友人に遺贈するはずだった財産は、
当然に友人の息子が受け取れるわけではありません。
 
 

遺贈の部分については遺言がなかったことになるので、
遺言者が亡くなったときは、相続の対象となり、
遺贈者の相続人が相続することになります(民法第995条)。
 
 

友人の息子さんに財産を残したい場合には
改めて遺言を書きなおす必要があります。

 

 

 

【遺言/Q9】夫婦で1枚の遺言書に遺言を残したいのですができますか

 

question
 

夫婦で1枚の遺言書に遺言を残したいのですができますか。
 
 

answer
 

複数の人が共同で遺言することはできません(民法第975条)
 

 

遺言は、それぞれの個人が別々の書面でしなければなりません。
夫婦であっても、同一の書面に二人の名義で遺言をすることはできないのです。
 

【遺言/Q8】以前作成した遺言の内容を書き直すことができますか

question
 

以前作成した遺言の内容を書き直すことはできますか?
 

answer
遺言の内容を変更したい時や、遺言を撤回したい時は、
新たに遺言を作成することになります。
 
 

内容の変更については、
新たな遺言を最初から作り直すこともできますし、
「前の遺言の○○の部分を△△に改める」のように
書くこともできます。
 
 

前の遺言をなかったことにすることは「遺言の撤回」です。
新たな遺言によって、「撤回する旨」を遺言します。
 

 

遺言は日付が新しいもの(亡くなった日にちに近いもの)
が優先されます。
 
 

この遺言のやり直しは、遺言をした人が、いつでもすることができます。